★☆「夢十夜第二夜」についての質問と、「口惜しいと悔しい」についての質問
- 吉田真理
- 2023年1月24日
- 読了時間: 2分
①夏目漱石 作 「夢十夜より第二夜」
【室と部屋について】
室の読み・結論
【しつ】と読んでください。
和尚のしつを下がって……
室の音読みは「しつ」訓読みは「むろ」
「室」の訓読みは常用漢字表内では「むろ」だけですが、表外では
へや(部屋)・ま(間)・いえ
・つま などがある
例
「室(へや)を締め切って、きいきい云わせるのだから、」(夏目漱石「それから」)
へや と読ませることもあるようですが、念の為、第二夜の音源を確認しても、ほとんどが【しつ】と読んでいます。
②和尚ー室
自分ー部屋
和尚のへやへ入ることを入室【にっしつ】と言います。
入室参禅(にっしつさんぜん)または入室問法(にっしつもんぽう)→禅宗で、師の居室に入り教えを受ける。
入室の読み方は、「にゅうしつ」ですが、仏教用語では【にっしつ】
そこから来ていると思われます。
和尚ー室
自分ー部屋
〜口惜しいと悔しいについて〜
現在の「口惜しい(くちおしい)」と「悔しい(くやしい)」は、どちらも同じ意味。
「くちおしい」は、くやしいとくらべ、やや文語調だが
双方とも、腹立たしい気持ち、残念でたまらないといった意味です。
口惜しいの読みを検索すると、「くやしい」とも出てきます。
ですが、昔は意味が違っていました。
元々の「口惜しい(くちおしい)」の意味は、惜しむ気持ちのこと。元々、朽ち果てるのを自分の力でくい止めることができず惜しむ気持ちのこと。朽ち惜しいからきている。
そして、元々の「悔しい」は、自分の失敗を悔やむ・後悔するという意味です。
「口惜しい」と「悔しい」は、腹立たしい気持ち、残念な気持ちを意味し現在はどちらも同じ。 ですが、昔はニュアンスが違っていました。
Comments